素直じゃないあたしを温めて
「はぁ……」
写真を撮り終えると、
まだ学園祭は始まったばかり、
というか、まだ開店もしていないのに
疲れがどっと押し寄せてきた。
どうしてこんな事をしてるのだろうと、ため息が出た。
あたしはスカートの長さを気にしながら、
教室の中をうろうろしていると、
「そういえばさぁ、柳瀬先生も執事やるんでしょ?」
という声が聞こえてきて、そういえばそうだ、と思い少し楽しみになって来た。
「やばくなぁい?絶対格好良いよね!」
「だよねぇー!何処に居るんだろ?」
「……」
仕方無いんだけど。
皆はあたしと柳瀬の関係を知らないから仕方無いんだけどさ、やっぱりちょっとああいうのは気になる……
あたしは心の中でそう思いながら、
少し困った顔で柳瀬の事を話している女子を見た。