素直じゃないあたしを温めて

黙ってついて行くと、
たどり着いた場所は屋上だった。

屋上はまだ今も立ち入り禁止なはず。

なのに普通に立ち入っちゃうこの人は教師として本当にどうなのか、と心の中で思った。

けど、それも柳瀬らしくて何だか笑えちゃう。



柳瀬は鍵を閉めると、
地面に指をさして、


「そこ座ろ」

と、小さな声で言って、先に柳瀬が座った。



あたしも同じように隣に座ると、


「何だよ、その服」


といきなりあたしを軽く睨みながらそう言った。



「何って……!柳瀬が言ったんじゃん、推薦なんだから良いんじゃない?みたいな事言って、あたしが着るハメになったじゃんかっ!何って、何よ。意味わかんないし」



あたしはぷいっと反対側を向くと、


「バーカ」


と柳瀬が言ってきた。


「はぁ!?意味分かんないし!てか何なの、何がしたいの?早く戻んないと、開店しちゃうじゃん」


「馬鹿……」


「だぁからぁっ!何なのもうっ、あたし先に行────」


「だから、スカート短ぇんだよ!!」







…………は?

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