素直じゃないあたしを温めて
嫉妬
あたし達の店は、かなり人気があって大繁盛。
忙しくて休んでるヒマも無かった。
結局このメイド服を脱ぐ事が出来なかったあたしは、
仕方なく接客をしている。
柳瀬も脱ぐとか言ってたくせに、そのままノリノリで執事。
「ちょっとーっ、なんで私が着なきゃいけなくなったの!?」
と、メイド服を持ちながら愚痴を言っている由香ちゃん。
接客の人手が足りなくなり、
丁度一着余っていたメイドの衣装を由香ちゃんが着る事になった。
「良いじゃん、きっと似合うと思うし」
あたしはそんな由香ちゃんを見てクスクス笑っていると、
「てめぇーっ、調子乗るなよ琥珀っ!」
あたしの首に腕を巻きつけてケラケラ笑っていた。
「茂里さーん、接客お願いー!」
「はーい」
名前を呼ばれ、行こうとすると、
「何か良い事あったでしょ」
と、由香ちゃんは急にあたしの方を見てニヤニヤしていた。