素直じゃないあたしを温めて

「ご主人様っ、ご注文何は?」


「えっ、え……?こ、琥珀チャン……?」



突然のあたしの態度に驚いた拓未くんは、あたしの顔をじっと見つめて固まっていた。


「私のお勧めはぁ……この桃色☆ラブパフェですぅ。頼んでくれたら、琥珀喜んじゃうゾッ」


全員引いてる。
さすがにやりすぎたか。


と心の中で思いながら、柳瀬の方をチラッと見ると、眉を顰めて嫌そうな顔をしていた。


明らかに、“嫉妬”


何だかそれが楽しくなってきて、あたしはもっと柳瀬を困らせたくなった。



「あ、じゃあそれで……」


「かしこまりました、ご主人様っ」



こんな事言うキャラじゃないっていうのは自分が一番分かってる。

けど、今は……


柳瀬がムカつくから
仕返しをするのが第一。



何だか乗ってきたあたしは、
拓未くん以外のお客さんにもそんな態度を取った。

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