素直じゃないあたしを温めて
【柳瀬Side】
「大嫌いは……キツいな」
力が抜けてその場に座り込み、頭を抱えた。
別に、あそこまで怒るつもりじゃなかったし、あんな事言うつもりも無かった。
馬鹿だ、俺は。
俺のただの嫉妬で……
こんな風になってしまった。
「何してんだよ、俺……まじでかっこわりぃ……」
分かってる。
茂里があの拓未という男に気が無い事くらい。
でも
それでも、いつか茂里が離れていってしまう様な気がするから。
今のあいつは、
いつも笑って、幸せそうで……
もう俺は必要ないんじゃないかと、不安になってくる。
俺が傍に居なくても、あいつには他の“代わり”が居る。
いつ心変わりしてもおかしくないんじゃないかって……
「ははっ……情けな」