素直じゃないあたしを温めて
「学校は?」
「私もサボろっかな、今日は」
「……」
そう言って、クッションの上に座った由香ちゃんはあたしの方に優しく微笑んだ。
「よく分かったね、あたしの家」
「さっき琥珀の妹に会ったから。学園祭の時に顔見てたから、すぐ分かった。で、教えて貰った」
「そう……」
あたしも由香ちゃんの隣に腰を下ろすと、
「良い妹だね」
「え?」
「お姉ちゃんの事、よろしくお願いしますって」
「……」
美砂……
あたしに何があったのか尋ねてこなかったけど……
やっぱり、気にしてくれてるんだ。
「妹に心配かけてどーすんだよー」
とあたしの頭をツンと指で突いた。
あたしは小さくそうだね、と呟くと、由香ちゃんは
「よし!出掛けるぞ!」
といきなり立って大きい声でそう言った。