素直じゃないあたしを温めて

「でもね、やっぱり自分の気持ち伝えないで終わっちゃったっていう事に、今凄く後悔してる」


「うん……」


「やっぱりね、言うのと言わないのって全然違うと思う。

別に今から奪ってやろうとか思って無いけど、
私もちゃんと自分の気持ち言ってたら、もっとスッキリしてたかもしれない。

でも、琥珀にはそんな後悔して欲しく無い。

だから……何があったのかは分からないけど、ちゃんと琥珀の想い、柳瀬にぶつけなよ?」


「うんっ……」



由香ちゃんは少し目を潤ませながら、

あたしの背中をポンと叩いた。



あたしはそんな由香ちゃんの、

優しさや想いに涙が溢れてきて止まらなかった。



「もー、泣くなよー」


そう言って優しくあたしを抱きしめてくれた。
< 299 / 440 >

この作品をシェア

pagetop