素直じゃないあたしを温めて
決断の時
あたし達はひとしきり話したあと、
尚人さんにお礼を言い、
お店を後にした。
「ちゃんと話すんだよー!それから、学校来いよっ」
「うん」
「じゃあね、また明日」
そう言って手を振り、
あたし達はそれぞれ別の道へ帰って行った。
明日、柳瀬に何から話そうか、
そんな事を考えながら歩いていると、
「琥珀ちゃん?」
と後ろから声を掛けられた。
あたしはゆっくり振り向くと、
「あっ、おばさん!こんにちは」
「久し振りね、学校は?」
「あ、ああ……」
あたしは苦笑いをして、
適当にその話を流した。
だけど、おばさんはたぶん分かってると思う。
あたしが自分の意志で休んだのだという事を。