素直じゃないあたしを温めて

「話……って?」


中々喋り出さないおばさんにしびれを切らし、
あたしから切り出すと、


「ああ、あのね……」


とかなり喋りにくそうだった。


だから、良く無い話だとは、はっきり分かった。



「ごめんね……私のところも、余裕無くなってきたの……」


「……」



そう言う事か、心の中で思った反面少しホッとした。

だって、もっと良く無い事を聞かされるのかと思ったから。



両親が出て行ってから、

おばさんから毎月一定の生活費を送ってもらっていた。


毎月毎月……申し訳ないな、と思っていたけど、

いつかはもう貰えなくなるだろうなと考えていた。


おばさんの家にだって家庭がある。

その家族を養って、更に親戚の家にお金を送るなんて、無理があったと思う。



それでもおばさんはあたし達をいつも気にかけてくれて……すごく感謝している。


だから、「もう送れなくなったの」
と言われても、「どうして?」

なんて、言い返せない。



だけど…………
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