素直じゃないあたしを温めて

どうする事が、あの子達にとっての幸せなのかと。




考えれば考えるほど分からなくなってくる。



ふと、テーブルの上にあるあたし達4人の写真を見た。

千奈と晴季は手を繋いで無邪気に笑い、


後ろに立ってあたしの肩に手を置き、ニッコリ微笑んで居る美砂。


そして、このころはまだ“不安”でいっぱいだっただろうあたし。



両親が出て行ってから約一か月後。


皆でプールに行こうという計画を立て、
ドキドキしながら行ったのを覚えている。


かなり幼かった千奈達の面倒を見るのが大変で、
あたしと美砂は泳ぐどころじゃなかったっけな……



「……」



あたしは、昔の事を思い出して口元が緩んだけど、

それと同時に胸に何かチクリと刺さったような痛みが走った。
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