素直じゃないあたしを温めて

友情とか信頼とか、

そんなの上辺だけのもの。


ただのカタチだけ。



そんな薄っぺらいカタチはいつかは必ず崩れる。

そっと、触れただけで

ボロボロになる。


そう、無意味。



それを知ったなら、



「自分から、関わらないように最初から距離を取るの。

あたしが大切にするのは今の家族だけで……
あとはもう、信じたってムダって知ったか────」


「茂里っ……」


「……!?」


一瞬であたしの視界は真っ暗になって、

前が見えなくなった。


「ん?!」



────……


気付くと、柳瀬の大きい腕の中に居た。



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