素直じゃないあたしを温めて

美砂のそんな言葉にあたしは思わず固まってしまう。


「美砂……?」


「お姉ちゃん馬鹿だよ!馬鹿!守るって言ったのにとか……そんなのっ」



美砂は俯いて声を押し殺しながら泣いていた。



「謝んないでよ……私、お姉ちゃんにたくさん守られてきたよ?だから……謝んないでよ……今だって、守られてないって思って無いもん……今はね、




“ありがとう”  って」





「……っ!」



あたしはそのまま泣き崩れ、
自分でも何が何だか分からなくなっていた。




あたしは、何て弱い人間なんだろう。



どうしていつも、いつも、いつも、あたしってこうなのかな。







美砂、お姉ちゃんが守ったんじゃないよ……


あたしは、貴方にずっと助けられてきた。


謝らないでと貴方は言うけれど、
あたしには罪悪感しかないよ……







ごめんね、美砂、そして千奈、晴季────



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