素直じゃないあたしを温めて

あたしは由香ちゃんとの約束を破り、

また学校を3日休んだ。



その3日間で美砂と2人でずっと話し合いをしていた。




そして、あたしの決心が付いたのは、その話し合いの最終日。



─────……



「お姉ちゃんは今までずっと頑張って来た……頑張りすぎだったんだよ。だからもう、休んで?」


千奈と晴季の笑顔を見るたびに心が締め付けられるあたしにそう優しく言ってくれた美砂。


本当はあたしだって、どうする事が皆の一番の幸せなのかという事は分かっていた。

だけど……怖くて。



「あたし……決めた」



もう、あたしの一人だけの想いで美砂達を傷付けたくないから……

皆が幸せで……皆がこれからも楽しく暮らしていけるのは、



「あの子達を、施設に……お願い……する」



そう決めたのに、涙が出てきて止まらないあたしに、
美砂は優しく背中をさすってくれて、


「分かった」


そう言ってあたしを抱きしめ、そして、




“今までありがとう────”





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