素直じゃないあたしを温めて
「ちゃんと、良い子にしてるんだよ?」
「お姉ちゃん一緒に行かないのー?」
晴季が行こうよーとあたしの服の裾を掴んで揺らした。
でも、その隣には俯いたままの千奈。
「千奈……?」
「……」
黙ったままで何も言おうとしなかった。
もしかして千奈……
「お迎えはいつ来る?」
「……」
「ねえお姉ちゃん!お迎えは?お迎えはいつきてくれるのー?」
「……ない」
「へ?お姉ちゃん聞こえないよぉ」
「来れない」
あたしがそう言うと、晴季は口をポカンと開けてから、
「あ!じゃあ美砂お姉ちゃんが来るの?」
晴季はそう言って美砂の方を見たけど、美砂が首を横に振るのを見て首を傾げた。
「もう……お別れなの」
「おわか……れ?」
「そう、バイバイするの」
「……バイバイ?」
ごめんね────……