素直じゃないあたしを温めて

“行かないで”




イカナイデ……?





あたしはその言葉を聞くと無意識に走り出して、千奈と晴季からどんどん離れて行った。



そして、小さな公園の前に着くと走るのをやめた。



「お姉ちゃんっ……!」


後ろから息を切らした美砂が追いかけてきた。



さっきの晴季の言葉がこだまする。


行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで行かないで




「あの時と……」


「へ?」


「あの時と……一緒……!!」


「お、お姉ちゃん?」




イカナイデ。


イカナイデ。


イカナイデ。






────「ママァ!行かないでええええええー!!」
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