素直じゃないあたしを温めて

そういえば、あたし達、学園祭以来、

必要な事以外一言も喋って無かったんだ……



「大丈夫?ゆっくり休めよ」


「……何で柳瀬の家に居るの?」


「……美砂ちゃんから電話あった」


「美砂から?」



どうして、美砂が。



「お前が倒れたって聞いて……」



そっか、あたしあれから意識無くなっちゃったんだ。



「……色々、話は聞いたの?」


「……おう」


「そう」


「はい、これ」



そう言って水を渡され、あたしはありがとうと呟いてその水を飲んだ。



「今日はもう夜遅いし、此処に居ろ。明日は学校休みだし」


そう言われ、時計を見ると夜の10時だった。

ずいぶん長い間眠っていたみたい。


「……ありがとう」



柳瀬と久し振りに会えたし、ちゃんとまともに話せたのに……

どうして今の、このタイミングなんだろう。
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