素直じゃないあたしを温めて

「もしもし、航太?」



え……?



電話の声は女性。

それに、「航太」って……



「航太?」



誰、誰なの────




「もしもし?」


「あ、え、えーっと……」



何て言って良いか分からず、戸惑っていると、



「あら?航太じゃないの?」


「あ、はい。すみません……」


「貴方、どなた?」



こっちも聞きたい。
貴方は誰ですか?


貴方は柳瀬の……何なの?



あたしがずっと黙っていると、


「私は、航太の母親。水野幸子」


「え────?」




柳瀬の……



お母さん……?

< 335 / 440 >

この作品をシェア

pagetop