素直じゃないあたしを温めて
その後、数分色んな話をしていたあたし達を
柳瀬はうんざりした表情で見ていた。
「では、また」
電話を切るとすぐに、
「どういうつもり?」
と少し怒った表情でそう言った。
「お母さん、良い人だね」
「……」
「連絡、取ってたんだ?」
「別に。何か、アイツ樹理の所行ったらしくて、それで樹理にあの番号書かれた紙渡されて……心配してるから掛けなさいよって言われたから」
「そうなんだ……」
「でももう、俺は関わりたくないのに何でお前……」
そう言うと、柳瀬は、はぁとため息をついた。
「良いじゃん……」
「は?」
「お母さんの居場所、分かって良いじゃん!会えるじゃん!」
「茂里……?」
気付くとあたしの目には涙が浮かんできた。
自分でも泣くつもりなんて無かったのに。