素直じゃないあたしを温めて

母と子


「あっ、来た来た!こっちだよー!」


向こうから歩いてくる人に大きく手を振った。



「おはよう!拓未くん、新山さんっ!」


そう、この2人にも柳瀬のお母さんの別荘に来てもらう事にしたのだ。


新山さんは柳瀬のいとこだから、
お母さんも良く知っているだろうし、

拓未くんは……



「だから何で俺なのさー」


「だって、急だったからさあ!拓未くんぐらいしか居なかったんだもん」


「何だそれー」


そう言ってにこっと笑ってくれた。


拓未くんにはあった事を全部話した。

頷きながら聞いてくれて、あたしも話しやすかった。



「また俺、彼氏怒らせちゃうかもじゃん」


そう小さい声で言った拓未くんが可愛かった。


あたしは、ははっと笑って


「それはもう大丈夫だから!心配しないで楽しも!」



そう言うと、いつもの拓未くんの笑顔に戻り、「そうだな」と言ってくれた。
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