素直じゃないあたしを温めて
「柳瀬ー!皆来たよー!もう行ける?」
「おう」
そう言うと、
柳瀬の赤い車があたし達の前に止まった。
「うっわすっげえ……かっけー!柳瀬さんこんなのに乗ってんすか?!」
拓未くんが興奮気味にそういうと、柳瀬は満足そうに笑っていた。
実はあたしも初めてこの車に乗るから……
結構ドキドキしている。
「じゃあ、しゅっぱーつ!」
新山さんの元気な声で、あたし達を乗せたこの車は動いた。
外からあたしが柳瀬と車に乗ってるのがバレちゃまずいから
という事で、拓未くんが助手席に座り、
あたしと新山さんは後ろの席に座った。
別荘ってどんな所だろう。
そうワクワクしながらも、
“亜衣ちゃん”という人物も気になる。
どんな人なんだろう?
……柳瀬と、
どんな関係なんだろう?
そんな事を考えていると、
「亜衣ちゃんに会えるの楽しみだなあ」
と新山さんが呟いた。
亜衣ちゃんという言葉に反応し、ドキンとした。