素直じゃないあたしを温めて
「航太、亜衣ちゃんと会うのいつぶり?」
「んー?俺はそんなに間空いてないかな?」
え……?
空いてない?どういう事……?
「ええっ!何それ!あたしもうずっと会ってないよー!」
二人の会話をドキドキしながら聞いていると、
「亜衣、俺ん家たまにくるから」
「え?」
思わず漏れてしまった声。
あたしはハッとして口を塞いで、誤魔化すために窓の外の景色を見た。
それに、“亜衣”って呼んでる……
下の名前で……
たまに柳瀬の家に来る?
……どういう事?
一気にあたしの中に不安が襲ってくる。