素直じゃないあたしを温めて

大丈夫だ、

そう自分に言い聞かせても不安が消えない。



亜衣さんとはどういう関係なの?



……何だか胸が苦しい。




「おーい、琥珀チャン。顔色悪いけど大丈夫?」


いち早くあたしの変化に気付いてくれた拓未くんは、

助手席からあたしを心配してくれた。


「気分悪いのか?」


柳瀬がバックミラーであたしの方を見てそう言った。


「大丈夫……」



ううん、大丈夫なんかじゃないよ……



「無理すんなよ?」



柳瀬、あたし不安だよ。



「着くまで寝てろ」



そう言うと、あたしから視線を外した。



亜衣さんの話が出ても柳瀬は動揺しないって事は……
何にも無いって信じても良いんだよね……?


あたしはそう言い聞かせるようにして、

柳瀬に言われた通りに眠る事にした。



起きてたら、色々考えちゃいそうだから。

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