素直じゃないあたしを温めて

「良いなあ、こんな別荘持ってるなんて」


「まぁ、もう今は居ないけどばあちゃんの別荘だけどな。俺がまだ母親と暮らしてた時は良く此処に連れられた」


「へぇ、そうなんだ」



そう言った柳瀬の顔は少し微笑んで居たから、

柳瀬も幸子さんとやり直すこと、ちょっとは望んでるんじゃないかなって思う。



「私も此処久し振りだわー。改めて大きいね」


新山さんはそう言って別荘を眺めていた。



「お待たせー!」



後ろから叫ぶ声が聞こえて、見えたのは……




「幸子さん、亜衣ちゃん久し振りー!」



新山さんがそう言って2人に駆け寄った。




幸子さんと、亜衣さん……



幸子さんはイメージ通りの優しそうな人だった。


亜衣さんは……
髪の毛がサラサラで、スタイルが良くて……

美人で。

非の打ちどころが無いくらい。


……モデルさんみたい。




見た瞬間に、“負けた”
そう思った。
< 346 / 440 >

この作品をシェア

pagetop