素直じゃないあたしを温めて
「良いなあ、こんな別荘持ってるなんて」
「まぁ、もう今は居ないけどばあちゃんの別荘だけどな。俺がまだ母親と暮らしてた時は良く此処に連れられた」
「へぇ、そうなんだ」
そう言った柳瀬の顔は少し微笑んで居たから、
柳瀬も幸子さんとやり直すこと、ちょっとは望んでるんじゃないかなって思う。
「私も此処久し振りだわー。改めて大きいね」
新山さんはそう言って別荘を眺めていた。
「お待たせー!」
後ろから叫ぶ声が聞こえて、見えたのは……
「幸子さん、亜衣ちゃん久し振りー!」
新山さんがそう言って2人に駆け寄った。
幸子さんと、亜衣さん……
幸子さんはイメージ通りの優しそうな人だった。
亜衣さんは……
髪の毛がサラサラで、スタイルが良くて……
美人で。
非の打ちどころが無いくらい。
……モデルさんみたい。
見た瞬間に、“負けた”
そう思った。