素直じゃないあたしを温めて
自分の心
きっと、あたしは気付いているはずなのに。
「柳瀬ー……入って良い?」
あの後、何も言わずに柳瀬は去って行き、一人で部屋に入って行った。
しばらくしてから、あたしは柳瀬の様子が気になり、ドアをノックしてそう言った。
ガチャ
数秒の沈黙があってから、中からドアが開き、
「……どうぞ」
そう低い声で呟いた。
幸子さん達は掃除をするために別荘にやって来たから、何日か此処に居るらしいけど、
学校やらバイトやらがある
あたし達は明日、帰ることになっている。
柳瀬も一緒に帰るけど、
その前に声を掛けておきたかった。
中に入ると、ベッドと真ん中に丸い机がある、
シンプルな部屋だった。
柳瀬がベッドの上に座ったから、あたしもその隣に座り、
ふう、と息を吐いた。