素直じゃないあたしを温めて

自分が嫌になる。

本当に、嫌になる。






新しく住むアパートに戻ってから、ダンボールから荷物を出さずに、床に座ってなんとなくテレビをつけた。



今日からあたしはこの家に住む。
……一人で。


「はぁ」


私は、自分勝手なんだろうか。
もう一度、同じことをしてしまうの?


……柳瀬を傷付けてしまう?




「あ……」




テレビを見ていると、つい声が出てしまった。


「カウンセラー……」



そう、以前からあたしが密かに興味を持っていた事。


柳瀬に出会うまでは、自暴自棄で、将来の事など何も考えて居なかった。



だけど、あたしにも小さな“夢”というものがいつしかできていた。

まだ、はっきりとしたものじゃないけれど、なりたいと、そう思うようになっていた。



心理カウンセラー。



それに、興味を惹かれていた。

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