素直じゃないあたしを温めて

「これ……見て」



そう言って、連れて来られた場所にあったものは……



「────え……?」




覚悟はしていたし、いつかはそうなるって思ってた。


…………当たり前だよね。


「誰がこんな事をっ……!」


由香ちゃんが大きな声でそう言った。


「もう、良いよ……」


誰がやったかなんて、大体分かる。

さっき目が合った時に勝ち誇った顔をしていた……

川西さん。




以前から柳瀬に好意を寄せていた人物。

音楽室で、二人がキスをしていたとあたしが勘違いしてしまった時の……あの子。川西さん。



「ふふっ、馬鹿ね……」



川西さんがあたしの耳元でそう囁いて、去って行った。



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