素直じゃないあたしを温めて
「何事だっ……!」
理事長と校長がこっちに向かって走って来た。
あたしと柳瀬の事が書かれた紙は一枚ではなく、
あたしが破ったもの以外にもたくさん貼られていた。
だから……
「何だこれは……!」
校長はその紙を見て、顔色を変え、あたしの所に近付いて来た。
「茂里琥珀とは、君の事だね?」
「……はい」
素直にそう言うと、
「ちょっと……来なさい」
そう言ってあたしの手を引こうとしたけど、
「柳瀬先生はっ……!彼は……関係ありません」
出来る限りの大きい声を出してそう言った。
「全部、あたしが勝手にした事なんです。だから彼は関係ありません。あたしのせいなんです」
そう言うと、また周りがザワザワし始めた。
柳瀬は……
何も悪く無い。