素直じゃないあたしを温めて

決めたこと。


あたしが、一人で、決めたこと。



「はははははは、はははっ」


いきなり、狂ったように笑う柳瀬。


「はははっ…………んだよ……意味分かねぇよ!」


そう言ってあたしの肩を大きく揺らした。


「別れた方が、良いんだよ……」


「意味分かんねえよ!俺、何かしたか?……亜衣の事か、だからあいつの事は……」


「違う」



違うよ、違うの。


あたしがずっと悩んでいた事は────


「柳瀬には、お母さんとやり直して欲しいって思ってるの」



二人が、また幸せになってくれることを望む。



「何だよそれ……」


「東京に戻って、やり直して欲しい」



あたしの願いは、唯一つ。
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