素直じゃないあたしを温めて

あたしはもう、前みたいに自暴自棄になったりしない。

そう決めたから。


「もう大丈夫とかそんなの……俺が大丈夫じゃねえよ!」


「柳瀬は……あたしが居なくても大丈夫だよ」


「だからって……別れる必要なんてねぇだろ!」


「違うの!それだけじゃないの……」



昨日の涙の理由も。

ハッキリ分かってから、悲しくなったけど、どうしてなんだろうって、思ったけど。



やっぱり、結局そうだったんだって。



「あたしね、心理カウンセラーになりたいの。……初めて夢が出来たの。今からいっぱい勉強して、頑張りたいの」


「……」


「それでね、あたしのしたい事は何だろうって目を瞑って考えたら……









────その先には柳瀬が居なかったの」






そう言ったあたしの目から、ポロっと涙が出た。



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