素直じゃないあたしを温めて

もう、これから先、あたしが柳瀬を傷付ける事は無くなるから……

それで良いの。



「……もう、気持ちは変わんねえのか?」


「……うん」



あたしのこの気持ちはもう、揺るがない。



「そうか……分かった。俺も頑張るから……お前もその夢諦めずに頑張れよ……」


「うん。ありがとう……」


「でも、もし茂里が俺の所に戻りたくなったら……俺、いつでも待ってるから」


「……うん」


そんな都合の良い事出来るのだろうか。

……そう言われたら、すぐに戻りたくなっちゃうんじゃないかな。


でも、もうあたしは決めたから……



だから、最後に……


「お願いがあるの、最後に一つだけ」



そしたらもう、あたしは静かに去るから。
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