素直じゃないあたしを温めて

「何だ？」


そう優しい声であたしの顔を覗き込む柳瀬。

その顔を見たら胸が締め付けられそうになっちゃうけど。



「ぎゅって、抱きしめて。好きだって言って。キス、して」




それを聞いた柳瀬は一瞬びっくりした顔を見せたけど、すぐにいつもの笑顔に戻って



「好きだよ」


「うん」


私の頭を撫でながら優しく、抱きしめてくれた。

今までの中で、きっと一番温かった。






「愛してる」



そう言って優しくあたしの唇に触れ、何度も何度も愛を確かめるようにキスをした。




今日でお別れだって、これでもう柳瀬とは会えないんだって思うと寂しくて、悲しくて、不安で仕方なかった。



けど、これがあたし達にとっていい選択なんだって、自分に言い聞かせていた。