素直じゃないあたしを温めて
第10章
嫌いな自分
「すみません」
Warmthで働いている事が、学校でバレてしまった事にあたしは頭を下げた。
「やだなあ、どうして琥珀ちゃんが謝るのよ!」
って、新山さんはそう励ましてくれたけど……
「迷惑をかけてしまう事になるので……今日で辞めさせて頂きます」
「え……?」
「今まで有難うございました。急なので……今月の給料はもういいです」
「何も辞めなくても……」
「すみません、今まで有難うございました。今日はちゃんと働きます」
あたしはまた頭を下げて休憩室に入った。
「此処にはもう居られないよ……他の所探さなきゃな……」
ふう、と息を吐いてイスに座った。
「琥珀チャン……」
振り返ると、少し不満そうな表情の拓未くんが居た。