素直じゃないあたしを温めて

「待って、どういう事……？」


「俺は…………



琥珀チャンが好きだ」



「────え？」




何を言っているのか、すぐに理解出来なくて。


でも、意味が分かった時には頭の中が混乱して。



「まっ、待って！前、拓未くん好きな人が居るって……！」


「……鈍感。それ、琥珀チャンだから」


「え……？」


「俺の好きな人は、ずっと前から……琥珀チャン」






拓未くんの好きな人が……



あたし……？




「今度は俺が、琥珀チャンを幸せにしたい」


「……」


「俺を、見てほしい……」



そう言いながら、拓未くんの唇があたしに近付いてきて……


あたしは無意識に目を閉じた。









「なんだ、そういう事か」