素直じゃないあたしを温めて

「柳瀬ってさ、ほんと子供みたい」


「意味わかんねー。てか、さっきからあんたとか柳瀬とか呼んでるけど、俺一応茂里の担任だけど?」



少し教師っぽい目をして、

あたしの頭を軽くコツンと叩いた。



「ちゃんと先生って呼べ」


「どうだろ、たぶん無理かな」



高校に入ってから今まで、

教師の事を「先生」って呼んだことが無い。



向こうも近付かないし、

あたしも近付かないから、


そんな機会なんて全く無くなるわけで。



「ったく……」



そういうと柳瀬は腕を組み、

腕に付けている時計を見た。



「そろそろ帰るか」
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