素直じゃないあたしを温めて

【電話したけど出ないからさー。

あ、電話番号は樹理ちゃんに聞いたよー。だからって、樹理ちゃんに怒っちゃだめだよ!私がしつこく聞いたんだから。


で、本題に入ると……この間はごめんね?えっとー……なんていうか……まぁ、シンプルに言うと、あれは私の作戦だったの!


作戦っていうかなんていうか……何か二人、ちょっとだけギクシャクしてたみたいじゃん?しかも何か私絡みじゃーん!って思ってさー、だから琥珀ちゃんは私と航太が何の関係も無くなったら安心するんじゃないかって思って、わざとあんな風に言ったの。


あの部屋から喋る声は、外からでも良く聞こえるって知ってたからワザと!だから、あの日私が言った事、全部本心じゃないからねー。嘘、かな?ごめんね、心配させちゃって。

いやぁ、でもちょっとやりすぎたかなって結構後悔してるんだよねー航太めっちゃ怒ってたじゃん?

あ、それと航太が私を振ったってのも嘘ね!嘘!これだけはハッキリさせる!私が振った!航太から振られたなんて私のプライドがぁーなんてね。

まあ、遠距離なんかやれる自信無いから別れるって私から言ったんだよね。航太とは友達で良いやって。

そしたら向こうもアッサリ別れる事に同意ー。そんな感じ?


あ、今も航太に未練あるなんて嘘だからね!?てか私、今彼氏居るしさあ。


だからこれからも安心して航太と仲良くしてやってね!


って事を伝えたかったのー。留守番電話でごめんねー最近忙しくてあんまり時間取れないから、もう今言っておこうって思って!

じゃあね、航太と末永くお幸せに~】
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