素直じゃないあたしを温めて
「……」
おばさんが出て行った途端、静まり返る病室。
あたしは恐る恐るお母さんに近付いて行き、
「どうして……どうして何にも本当の事話してくれなかったの……?」
そう、静かに尋ねた。
お母さんは、あたしと目も合わそうとせず、ずっと窓の外を眺めていた。
「ねぇ……どうして……」
本当の事を知らずに此処まで来たあたしの心は痛いよ……?
「それでも貴方達を捨てた事には変わりない。傷付けた事には変わりない。……もう、ずっと私を憎んだままで良かったのに……それで良かったのに」
やっぱり、親子なんだね……
あたし達は、似ている。
……お母さんは、逃げているんだ。