素直じゃないあたしを温めて
我慢して止めていたお母さんの涙は、呆気なく零れた。
「お母さん、ギュッてして……」
横に居た美砂が涙を流しながらそう呟いた。
「おいで……琥珀も」
あたしも耐え切れず、涙を流し、お母さんのに駆け寄った。
「お母さああああん────ッ……」
お母さんの腕の中で叫びながら泣き続ける美砂。
あたしも、声を押し殺しながら泣いた。
「大きくなったね、二人とも……」
そう言って、頭を撫でる手が優しくて。
あたしは……
ずっと、こんな日が来るのを夢見てたのかもしれない。