素直じゃないあたしを温めて
最終章
ありがとう、さようなら
ちゃんと、自分の気持ちにけじめをつけてから此処を離れなければならない。
本当の気持ちを、伝えてから……
「もしもし拓未くん?今から会えるかな?」
もう、自分に甘くなっちゃ駄目だから。
もっと、強くなるって決めたから。
だからもう、さようなら。
「ごめんね、いきなり呼び出したりして」
思ったよりも早く来てくれた拓未くんに、微笑みながらそう言った。
「大丈夫だよ」
「……拓未くん……」
「……良いよ、ハッキリ言って」
「……ごめんね、拓未くんの気持ちには応えられない……」
ちゃんと、あたしの気持ちを……
中途半端なんかじゃなくて、本当の気持ちを……