素直じゃないあたしを温めて
「歩ける?おぶってやろうか?」
優しい瞳であたしを見つめる柳瀬。
どうしてそんな目であたしを見れるの?
「良いしっ、自分で歩けるし……いたっ」
立って、歩こうとすると、
靴擦れした部分がひりひりして痛い。
歩けそうにもなかった。
柳瀬はそんなあたしを見てクスクス笑い、
「強がるなって。ほら、乗って」
と言って、しゃがんで
あたしに背中をむけ、手を構えて待っていた。
「……」
あたしは渋々柳瀬の背中に乗った。
「重くない?」
「全然」
「……」