素直じゃないあたしを温めて

まさか……そんな事……



そう思いながら、中に入っている手紙を読んだ。




【茂里へ

直接話すと、ちゃんと自分の気持ちを伝えられそうに無いから手紙で言います。

一か月前、拓未くんが俺の所に来た。だから話は全部聞いてる。


それから一か月、ずっと考えてた。

俺はどうしたいのか、なんてもう決まってた。

でも、中々動けなかった。茂里を…迎えに行けなかった。


別れた日に言われた言葉を思い出したから。

自分のやりたい事の先に俺が居なかったって言われた時、正直辛かった。

それが茂里の夢なら俺は応援するしか無いんだってずっと思ってた。

でも、それは違った。

何も出来ない自分に腹が立って。隣に茂里が居ない事にもむしゃくしゃして。

俺は何をやってるんだろうって。


ずっと考えて考えて出た答えは、

俺には茂里が必要だって事。

もう、忘れられない存在になっていた。


こんな事言うと、また我が儘な子供みたいに思われるかもしれないけど、

茂里。お前の夢の先に俺が居ないのなら、



その先に、俺と一緒に生きて行く事を付け足してくれないか?
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