素直じゃないあたしを温めて

見えている先に俺が居ないなら、

俺を付け足して欲しい。

俺と一緒に居る事を夢に加えて欲しい。

ごめんな、こんな我が儘な願いで。



もし、茂里がまだ俺を想ってくれているなら、また連絡して欲しい。


いつでも良い。ずっと待ってるから。


p.s お母さんの病気、早く良くなると良いな


柳瀬航太】





「……柳瀬……」



止めどなく流れる涙。

足がガクガク震えだした。




夢の先に、柳瀬を付け足す……?




あたしは、あたしは…………!




「お母さん!これ、その男の人が届けに来たのいつ!?」


「んーその人が此処出てすぐに琥珀が戻って来たから……ついさっき?」


「っ……!」



手紙を握り締め、あたしは勢いよく病室から出て行き、無我夢中に走った。
< 432 / 440 >

この作品をシェア

pagetop