素直じゃないあたしを温めて
素直じゃないあたしを温めて
「あっ!こらっ、永遠(トワ)!危ないからそんな所登らないの!」
ベッドの上によじ登ろうとする
二歳児の女の子に叱った。
「ウッ……ウワアアアアン」
大きな声で泣くのは日常茶飯事で。
「ちょっとあなた!今手が離せないから永遠泣き止ませて!」
「俺あやすの苦手なんだよー」
「良いから!」
ブツブツ言いながらも永遠の所に行き、抱っこした彼を見ると微笑ましかった。
「すみません、娘が泣いちゃいまして……えっと、明日ですよね?大丈夫ですよ!いえいえ、そんな!急でも構いませんよ、いつでも行きます。はい、失礼します」
見えない相手にペコリと頭を下げ、電話を切った。
「ねぇ、明日仕事入ったからお母さんに永遠の面倒頼むわ」
必死に永遠を泣き止まそうとしている彼は振り向き、
「またか。申し訳ないな……」
「大丈夫よ、お母さん永遠の事大好きだし。永遠もばぁば好きだもんねー?」
「ばっば!」
可愛い声でそう言った永遠の頭を優しく撫でた。