素直じゃないあたしを温めて

柳瀬の背中は温かくて、心地よかった。

さっき、抱きしめられた温もりと同じような温かさ。



受け入れる、素直になる、向き合う……


幸せになる。




そんな柳瀬の言葉が頭の中でぐるぐる回っていた。





あんたなら、信じてみても良いのかななんて思えた。



でもやっぱり、自分を否定してるようで……

自分でも本当はどうしたいのか分かんない。



あたしは、人を信じるのがたぶん、怖いんだ。

でもそんなあたしに信じろと言ったあんたを



本当に……

本当に信じても良いの?

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