素直じゃないあたしを温めて
第2章
Warmth
「美砂……?」
「お姉ちゃん、おはよう。ご飯作ったから、食べて~」
朝目覚めると、
美砂がキッチンに立っていた。
「ああ、うんありがとう。でも……朝ご飯とか、お弁当はあたしがやるよ?」
「良いのっ。だって全部お姉ちゃんに任せっぱなしじゃん!あたしにも何かやらせてよ。お姉ちゃんはバイトで忙しいんだし……」
「その事なんだけど……あたし、辞めたから。あそこで働くの」
あたしがそう言うと、
美砂は動かしていた手を止め、
丸い目であたしをじっと見ていた。
数秒、あたしを見つめたあと、
「そっか、良かった」
って、微笑んだ。