素直じゃないあたしを温めて

学校に着いて、しばらくすると

SHRが始まり、一限目が始まる。


休憩をはさみ、二限目も始まる。



いつもと何も変わらない。




一度だけあたしを見て微笑んだけど、

柳瀬も、いつもと変わらない様子で。



きっと、あの夜あたしを抱きしめたのも、

おんぶしたのも、信じろって言ったのも、



あたしをただの一人の生徒としか見ていないんだろう。



別に特別な目で見てほしいとかじゃない。


けど……


いつもと変わらない柳瀬を見ていると、

あたしを抱きしめてくれたのが

嘘のように思えてきた。


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