素直じゃないあたしを温めて
「じゃあな、迷子になるなよぉ~?」
そう言ってあたしの頭をぐしゃっとする柳瀬。
「ばぁか、なんないし!っていうか……あの子達、見てるよ」
周りに居た女の子達があたしたちの
やりとりをじっと見ていた。
「あ?ああ、別に良いんじゃない?関係無いし」
「気付いてないの?」
「何が?」
「……鈍感」
何ていうか……
馬鹿。
自分が好かれてるって分かってないのかな、この人は。
誰に対しても優しくしたり、
大切に扱ったりしたらそりゃファンだって増えるでしょ。
「は?意味分かんねぇ。じゃあな、気を付けて行くんだぞ」
「うん」