素直じゃないあたしを温めて

「じゃあ、あたし行きますね」


「ん、りょーかい」



はぁ。


何で色んな人とそういう事をしたがるの?

男ってみんなそういうものなの?


・・・


じゃあ、



柳瀬も?



…………



っていうか、人って見かけによらないね。

まさか、新山さんまでそんな人だとは思わなかったから。



「琥珀ちゃん!じゃあ、早速働いてもらおうかなぁ。琥珀ちゃんは注文取ってくれる?」


「・・・わかりました」


どんな顔で新山さんを見ていいのか分からず、

俯いたまま返事をした。




チリンチリン



店のドアに付けてあった、

鈴が鳴った。

これはお客さんが来たとすぐにわかるようにしているもの。



「いらっしゃいませ」


あたしは笑顔で振り返りそう言った。
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