素直じゃないあたしを温めて

「・・・って、なんでアンタ」


「いやぁ、頑張ってる茂里の姿を見ようと思って」



店に来たのは柳瀬だった。

予想外の来客に少し戸惑うあたし。



・・・私服だ。

初めて見た。



何か、悔しいけどちょっとカッコいい。

女子に騒がれてるだけある。



「そんなの見に来なくったって良いって」


「良いじゃないか。家近いし。俺も何か頼む」



あたしは席に案内すると、

柳瀬はあたしの顔をにやにやして見ていた。



「なによっ、気持ち悪い」


「いや、キャバクラなんかで働くより、こんな雰囲気良いカフェで働く方が似合ってんなぁって思って」


「・・・」



柳瀬はそう言った後、

メニューを見て

「どうしようかなぁ」


と悩んでいた。





< 79 / 440 >

この作品をシェア

pagetop