素直じゃないあたしを温めて
「・・・って、なんでアンタ」
「いやぁ、頑張ってる茂里の姿を見ようと思って」
店に来たのは柳瀬だった。
予想外の来客に少し戸惑うあたし。
・・・私服だ。
初めて見た。
何か、悔しいけどちょっとカッコいい。
女子に騒がれてるだけある。
「そんなの見に来なくったって良いって」
「良いじゃないか。家近いし。俺も何か頼む」
あたしは席に案内すると、
柳瀬はあたしの顔をにやにやして見ていた。
「なによっ、気持ち悪い」
「いや、キャバクラなんかで働くより、こんな雰囲気良いカフェで働く方が似合ってんなぁって思って」
「・・・」
柳瀬はそう言った後、
メニューを見て
「どうしようかなぁ」
と悩んでいた。