【完】校内1のイケメンに恋をした!! 2
「…は? お前、何笑ってんだよ」
朔也さんの態度に、涼太くんの横に居る二人も怒った顔に変わる。
場はますますピリピリとした嫌な空気…。
…だけど、その空気を一瞬にして消し去ったのは…、
「なに、どうした?」
…きょとん、とした顔で私たちを見る龍輝さんだった。
「おかえり、龍輝」
「おー。それよりコイツら何?知り合い?」
「真ん中の彼、真由ちゃんの元彼氏だって」
「え? あぁ、へぇ…お前が」
元彼氏。と聞いた龍輝さんは、涼太くんを上から下まで容赦無く見る。
「んで?元彼氏がなんの用?」
「あ、いや…別に…」
龍輝さんの鋭い視線…と言うか気迫に負けたのか、涼太くんたちの目が泳ぎ出す。
ちょうどそこへ、健吾さんも戻ってきた。
「龍輝、どうかしたのか?」
「んや、別に?」
「…そうか?ならいいけど」
「うん」
…背の高い龍輝さんよりも更に背が高くガタイのいい健吾さんが涼太くんたちを見下ろす。
こんな人が登場するなんて思ってもいなかっただろう涼太くんたちは、
ビックリするくらい体を縮めて二人を見ている。
「で、もう用は無いんだよな?元彼氏」
「あ…はい…」
「んじゃ、さよーなら」
ひらひら、と手を振った龍輝さん。
涼太くんたちは身を縮めたまま、なすすべ無く立ち去っていった。