【完】校内1のイケメンに恋をした!! 2
「…龍輝さんの冷たい瞳(め)を見ると私、何も言えなくなっちゃうんです。
いつもの優しくて温かい龍輝さんと違う部分を見るのが、怖い…。
…全部が龍輝さんなのに、全部を知ってしまうと今までのモノ全部が壊れてしまいそうで、怖いんです…」
……私、龍輝さんの良い部分しか見ていないのかも。と、話しながら気付く。
龍輝さんの冷たい瞳、言葉…、それから目を逸らして、気付かないフリして過ごしてる…。
こんなんじゃ私…、いつかは龍輝さんと…――、
「壊れたらまた作ればいい」
――…え…?
「アイツとぶつかり合って話せばいいんだよ。
言いたいこと言い合って、初めてわかることもあるっしょ?」
頬杖を突いた大雅さんが、私を見て微笑む。
「不安とか、怖く思うこともあるかもしれないけど。
でも、すれ違ったままなんて嫌でしょ?
だったら全部ちゃんと話す方がいいよ」
「………」
…龍輝さん…。
“お前と手ぇ繋ぐのも、こうやって抱き締めんのも…ほんとは全部怖いんだ。
…真由が好きだから…、だからお前との距離を壊したくなくて、それで前に進むのを躊躇しちまう。
…でもさ、止まったまんま一生を生きてくなんて、そんなの俺は嫌だ。
だから俺は、“今”を壊してでもお前に近づきたい。”
…前にそう言ってたよね? 龍輝さん。
“…壊れたら、また二人で作っていこう。”
…私が龍輝さんに近づいたら、今までのモノすべてが壊れてしまうかもしれないけれど…、
それでも私、龍輝さんに近づきたい。
「…私、龍輝さんと色々話してみようと思います」